【トヨタ86】前期と後期何が違うのか?どっちが良いのか調べてみた!(Difference between the first half and the second half)
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1980~ 1990年代にかけての、スポーツカーの黄金期に一世を風靡したカローラ レビン/スプリンター トレノのAE86。その後継者ともいうべき86(ハチロク)が登場したのが2012年でした。国産スポーツカーとしては久々のFR車で、かつてのAE86と比較すると大人すぎる印象がありますが、依然、人気の高い車です。
発売4年後の2016年にマイナーチェンジが行われ、前期型86と後期型に分かれました。いったい、どのあたりが違うんでしょうか?これから中古車で86を購入したいとお考えの方の参考になれば嬉しいです。
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前期型の特徴はボンネット高の低い外観
86の特徴といえば、エンジンの重心高が低くなる「水平対向4気筒」を搭載していること。
このエンジンはスバルの「水平対向エンジン」を、トヨタの開発する直噴技術「DA-S」で動作させる「FA20型」エンジンです。そもそも「86(ハチロク)」はトヨタとスバルによる共同開発車であるために、両社の技術を統合したエンジンが乗せられているのです。ちなみに86とスバルBRZとは兄弟車にあたり、BRZにもおなじFA20型エンジンが使われています。
86の最大出力は200PS(147kW)/7,000で最大トルクは205N・m(20.9kgf/m)/6,400~6,600。
ボディ剛性は細かいマイナーチェンジのたびに徐々に進化し、前期型最終形のころには、かなりトランクションがかかりやすくなりました。86のボディには剛性向上のための工夫が数々がなされており、ドライバーの意志が多様な走行シーンで反映されやすくなっています。
外装もスポーツカーらしく、ボンネット高は低めです。もともと水平対向エンジンを積んでいるためボンネットを低くできるというメリットがあり、そのうえ86の開発に関しては、とにかく低く作る点が重視されていたからです。
そのおかげでボンネット高はねらい通りの低さで、フロント周りは走行中に空気が車体の上下左右に分かれて車を挟み込む流れをつくるようデザイン。「エアロハンドリング」のコンセプトどおりといえるでしょう。
リヤスポイラーは最上級グレードの「GT Limited」に標準装着されており、ボディと同色のスポイラーが一体感を生み出しています。
後期型の特徴はパワフルな外観とエンジンの吹けあがり
前期型・後期型86のもっとも大きな変化はエクステリアの変化です。フロントビューはフロントグリルが拡大したことによってよりパワフルになりましたし、空力性能向上のためのフィンがバンパー下やフォグランプベゼルにつきました。LEDヘッドランプもスタイリッシュな印象です。
またサイドビューで目につくのは、ツイストデザインの17インチホイール。GT “Limited”につくリヤスポイラーも、ウィングタイプの新形状に進化。
前期型は車体と同色でしたが、後期型では車体カラー+ブラックのコンビネーションとなり、よりパワフルさを感じさせます。そしてボディ剛性もより進化。トランクションがかかりやすくなり、コーナーリング時のリヤは明らかに踏ん張りがきくようになりました。
前期86よりも、より一層、車と乗り手のあいだに緊密な連携が取れ、阿吽の呼吸ができるスポーツカーです。
後期型86の特徴といえば、エンジンの吹けあがりの良さでしょう。後期型はあらゆる面において非常に細かい見直しがされているのですが、エンジンルームにはとりわけ繊細な変更が加えられました。吸気系はエアクリーナーから吸気パイプ、インテークマニホールドの形状まで徹底的に見直して、エンジンブロックの剛性もアップ。最大出力は207PS(152kW)/7,000rpm、最大トルクは212N-m(21.6kgf/m)/6,400~6,800rpmと向上しました。
馬力・トルクともに高くなりスポーツカー乗りが満足できる変更なのですが、そのぶん燃費は前期型よりも悪化ぎみです。乗り手を楽しませる性能が優先的で、燃費向上とまでは行かなかったのが後期型86の弱点と言えるでしょう。
86前期後期の中古車相場価格は?
86の中古車相場をカーセンサーで調べてみると、修復歴無しの中古車が754台、内ATが324台・MTが429台あります。
2012年から前期が発売され、2016年(8月)にモデルチェンジし、後期型に分かれました。
相場を調べるにあたり、前期後期をしっかりと分ける意味で、前期は2015年までの車両で計算しています。2016年式の86を購入する際には、前期が含まれていますので、販売店に確認して購入してください。
86前期ATの相場は140万円ほど。グレードによっては低走行車もあるので、選択の幅は多いです。
86前期MTの相場は160万円ほど。やはり走りたい方が多いのか走行距離は多めです。低走行車を希望の方は予算を上げるか、稀に出てくるお買い得車を狙うのが良さそうです。
86後期AT車の相場は230万円ほど。前期も含まれている可能性もありますが、流通は50台でMTの半分以下の状況です。これからフルモデルチェンジを控えていますので、モデルチェンジ後に前の型(デザイン)が良いなとAT車需要が増える可能性もありますので、注意深く見ておくと良いかもしれませんね。
86後期MT車の相場は250万円ほど。流通している台数は115台で少ないですが、AT車よりも台数は多いですが、そもそも人気があるため値が下がらない傾向です。場合によっては新車を検討するほうがお得な場合もありますが、新車よりも50万円は安く買えるため、お得と言えばお得な状況ですね。
ちなみに、86には「スタイルCb」があり、2019年8月現在では中古車は4台のみのレア車。良いなと思えば買いの状況です。250万円から300万円の間で流通していますので、購入したい方は早めの行動が良さそうです。
86は前期型か後期型か
前期と後期、どちらが良いのかは一概に言えませんが、後期型は足回りの細かい部分が向上し、とくにカスタムをしなくても、ノーマル車の状態で十分にスポーティな乗り味を体感できます。後期型はエンジンルームだけでなくエクステリア、インテリアともに上質な大人のためのスポーツカーという印象。
いっぽうの前期型は、SUVやエコカーが主流の時代にあえて小型スポーツカーを開発・投入したトヨタの気概が感じ取れる車です。トヨタとスバルの開発チームの気迫を感じたいなら前期型、乗りやすさを重視するなら後期型といったところでしょう。